

小学校や中学校の先生になるためには、多くの場合、まず大学受験を経て教員養成系の教育学部に進む。入学試験の内容は、芸術や体育のコースを除けば学科試験だけで、将来先生として教壇に立って、うまくやれるかどうかの適性は問われない。入学後は四年間、大学での講義を受けることになる。その講義が本当に教師になるために欠かせないものかどうかはここでは触れないが、それよりも重大なことは例外を除いて講義が面白くないことだ。先生の卵を相手に講義をする以上、将来の彼らのお手本になるのだから、レベルの高い、面白い、よく分かる授業をしなければならないはずなのに、それが必ずしもそうではない。そこで学生たちは、授業なんてこの程度でいいのだな、と低い水準の授業イメージを胸に刻みつけてしまうのである。
過去の一時期に、受験のための勉強だけをして学校の授業をおろそかにする生徒の傾向が問題になったため、学校の勉強もしっかりフォローするという方針を掲げている個別指導塾が多くなったからでもあります。講師は専任講師が三分の一を占め、あとは大卒以上のアルバイト講師(もちろん建て前であることが多いのですが)が授業を行なっています。これは少人数制授業のためと、家から歩いて通えるところに教室を設けるという方針のために、必然的に教室数とクラス数が多くなり、講師の数もどうしても多く必要になってくるからです。ただ、個別指導塾の規模が大きいこともあり、カリキュラムや方針、研修などはしっかり本部が組み立てているので、質としては最高でもなければ最低でもないといったところでしょう。似たような宣伝文句、似たような合格実績を掲げている個別指導塾が競合していますが、どこに通っても当たり外れはない、いわばどこも同じということが言えます。こういった個別指導塾では惚れる講師がいるかどうか、システムや対応、教材などが満足いくものか、あるいは教室の雰囲気など好みで選んでもかまわないくらいです。
[参考]個別指導教室(予備校・塾)/四谷学院
できる生徒を教え、その生徒が全国模試で何位になったか、どこの学校に受かったかで予備校講師が査定される世界です。塾という会社に貢献するには、できない生徒を教えるよりも、できる生徒を教えて御三家やら慶応早稲田の付属校に多くの合格者を出すことなのです。けれども熱意のある講師、教育者としてのプライドを持つ講師ほど、できない生徒をほっておけないものです。あれこれと苦労し、どうしたらその生徒が自信を持ってくれるか、どうしたら理解しやすいかを一晩中考え続け、自分の仕事を自宅に持ち帰ることになっても、できない生徒ややる気のない生徒が変わったときの喜びはなにものにも変えがたいものなのです。その喜びを一度でも味わい、自分でもやればできると自信を持って輝きはしめた生徒の顔目にしただけで、苦労はふっとびます。教える喜びを知り、教えることを天職だと信じることができます。そういう講師は、熱意にみち、生徒の心に敏感で、工夫した指導ができるのです。御三家に何人合格させたとか、早稲田慶応付属校に確実に合格させることができるという予備校の宣伝材料に使われる講師よりも、地道にコツコツと指導を行なう講師こそ、惚れるに値する講師だと考えます。
残り時間が少なくなってきました。そろそろまとめに入らなければなりません。「4日間の研修はこれで終わりですが、みなさんの自主研修は今始まったばかりです。英語の勉強は、少しずつでも続けなければ効果は上がりません。そこで今日は、長続きさせるためのとっておきの方法をお教えしましょう」みんなは真剣な表情でメモをとっています。「長続きさせるコツは、あまりたくさんやろうとしないことです。せいぜい1日30分でできるものを目標課題にします。20分でもむろんかまいません。そんなに短くて効果が上がるかって?もちろんです。たとえば、サイトラ10分、シャドウイング5分、逐次かサマリーの練習15分。これで30分です。訓練を受けたみなさんなら、5分のシャドウイングでどのぐらいの量をこなせるかおわかりでしょう。サイトラも、5分続ければくたくたになりますよ。もちろん、やるだけでなくあとで見直しの時間も必要ですから、もう少し余裕を見込んだ方がいいかもしれませんが……。